2014年3月11日火曜日

日本人が知らない中国の強み

日本政府、エコノミスト、産経新聞などは、どうも中国の本質や構造を知らないようだ。

また、中国の政治・経済・社会を論評(常に批判)し、進展する米国との関係を認めず、米中の係争を期待する節があるが、何と狭い視野なのだろうか。

世界の環境の変化に乗れず、問題の本質を掴めず、相互の違いを理解せず、また、その違いを受け入れず、自国だけが優秀だと軽薄な優越感に浸りたがる日本が、社会的に成熟しないのは無理もない。

欧米の素晴らしいのは、問題点を把握しながらも解決に向けた対話を重視し、あらゆる行動をすることにある。

何故、日本人と欧米人はこんなに違うのだろう?

歴史的、地理的要因を考えれば分かり易い。宗教的結び付きや対立、他国と隣接することは、常に文化的な交わりがある半面、争いを続けてきた。相手を押さえつける事もあれば、受け入れる場面も大いにあった記録がある。

つまり、多民族の異なる文化、考え方を理解し取り入れる必要があったり、その方が好ましかったのだろう。

これが、新しい文化、創造、発明に繋がる事を社会として理解しているのた。

社会には問題があるのが通常であり、故に人は考え解決する事により成長するのであるが、欧米人は異文化との接触から、自らが変化を好み、違いを認め、新しいものを取り入れ、多民族国家としての社会を作ってきた。

それに対し、単一民族国家の日本は、閉鎖的な社会であり、自らが民主化する機会がなく、明治まで問題を解決することなく過ごして来た。

自らが生み出した民主化に対し、戦後、与えられた民主化により経済成長はしたものの、社会は全く成長していないのかも知れない。

違いを歓迎する欧米、共通点を喜ぶ日本、マイノリティを大事にする欧米に対し、潰す日本。

イノベーションは、それを必要とする環境ができた時、異なる文化、考えが交差して生まれ、それを支える知識、受け入れる理解力が不可欠であるが、日本は、これらの要件が揃っていないと思われる。

では、中国を見てみよう。

中国は漢族以下56民族で構成される多民族国家である。また、日本より、キリスト教、イスラム教、ヨーロッパ文明に接した期間は長く、また、海外に住む中華民族の人口は日本人とは比較にならないほど多い。

中国にいるとより理解できる事なのだが、異なる文化、考えが常に存在し、欧米同様、それを糧に様々な取り組み、ビジネスも行われている。

遅れて来た大国中国は、欧米や日本の前例を学ぶ機会もあり、学習能力もある。一党独裁や民主化、人権を批判される中国であるが、日本人が知らない多様性を潜在的に持ち、既に世界中のあらゆる場所で様々な成果を出している。

これこそが中国人の強みであり、日本人は学ぶものが多いはずである。
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